STORIES:OKUROJI

【My Own Locals】#3 前編
古き良きインドの歴史が残る街、コルカタ。

【My Own Locals】#3 前編<br>古き良きインドの歴史が残る街、コルカタ。</br>
ストーリー

2021.01.23

この記事をシェア

魅力的な人やものが生まれる場所ってどんなところ? OKUROJIで働くさまざまな人たちの“ローカル=地元”について、パーソナルな思い出からローカルならではの情報まで、ざっくばらんに聞いていきます。第四回は世界中の様々な民族料理を集めた多国籍レストラン「SOLEIL(ソレイユ)」の店長、アディカリ・ラジブさん。インド・西ベンガルの州都コルカタで生まれ育ったラジブさんに、故郷での暮らしについて訊きました。

Photo: Saori Tao  Text: Mayu Sakazaki

私の地元を紹介します!

私の地元を紹介します!

アディカリ・ラジブさん
インドの西ベンガル州・コルカタ出身。親戚の誘いで2004年に日本へ留学し、日本語学校に通ったのち、旅行会社に就職する。その後、インド料理店での勤務などを経て、「ソレイユ」の店長に。趣味はインドでも親しまれているクリケットと、歴史のある国に旅行に行くこと。インドで好きな著名人はプロクリケット選手のサチン・テンドルカール、映画スターのリティク・ローシャン。OKUROJIで気になっているお店は「うにくら」。

Q1、インド・コルカタはどんな街?

コルカタはとても歴史がある街です。もともとイギリス領だったので、300年前からイギリス人が住んでいました。1911年にデリーに移るまでは、インドの首都でもあった大きな都市なんですよ。インドで初めて電車が走った場所としても知られています。料理でいうと、北インドのちょっと辛いカレーが流行ったところ。ナンカレー以外にも、インディカ米をスパイスで炊いたビリヤニもすごく美味しいです。

Q1、インド・コルカタはどんな街? コルカタの街並み

Q2、子どもの頃の思い出は?

子供の頃は、サッカーや100メートル走とか、スポーツが大好きでした。ちょっと大人になってからはインドでいちばん有名なクリケットをよくやっていて、結構上手になりました。日本でも河川敷とかでたまにやっています(笑)。

Q2、子どもの頃の思い出は? インドでいちばん有名なスポーツ クリケット

Q3、日本に住むきっかけは?

もともと親戚が80年代から日本に住んでいて、よく遊びに来てほしいと言われていたんです。最初、僕はホテルの仕事に興味があって、インドのホテルでサービスの勉強などをしていたので、オーストリアかアメリカに学びにいこうと思っていました。でも一度日本に遊びに行くつもりで2004年に来日したら、親戚の人が留学を申請してくれていて、そのまま日本にいることになったんです(笑)。それからは日本語学校に通ったり、旅行会社に就職したり、インド料理店で働いたり……赤羽駅の「シターラ」というお店では10年ほど副店長として働きました。今「ソレイユ」で、ハラルやヴィーガンの料理をはじめ世界の色々な民族料理をお出しすることも、いい経験になっています。

Q4、コルカタはどんな人が多いの?

インドの中でも、文化的な人が多いところだと思います。『ギタンジャリ』という作品でノーベル文学賞を受賞した詩人ラビンドラナート・タゴールや、ノーベル経済学賞の経済学者アマルティア・センとか。2人ともアジア人で初めてノーベル賞をとった人です。頭のいい人や、文化的な人が多いです。マザー・テレサもコルカタなんですよ。

Q5、コルカタの美味しいローカルグルメといえば?

コルカタはインドの中でいちばん、料理が安く食べられる場所というイメージがあります。朝ご飯がすごく安くて、だいたいはチャパティに野菜や豆のカレーがついていたり。僕はライスよりもチャパティが好きで、コルカタではよく食べていました。インドは地域によって言葉も服も料理も全然違って、僕も知らないことが多いです。28州あって、そのすべての地域に行こうと思ったら英語を使えないといけない。英語ならわりと通じるんです。

Q5、コルカタの美味しいローカルグルメといえば? 定番の朝食 チャパティ

Q6、帰省中の楽しみといえば?

たくさんあります! お母さんの料理や、友だちと美味しいレストランに行くことや……やっぱり食べることがいちばんの楽しみですね。インドの年配の人はライスよりもロティやチャパティを食べるので、それに合う料理をよく作ってくれます。あとは、インドのマトンカレーはやっぱりすごく美味しい。日本でマトンというとどうしてもラム肉になってしまうので、ちょっとかたいんです。インドではヤギ肉なので、本当に柔らかくて香りもいい。インドのマトンカレーは日本ではなかなか再現できない特別なものなので、それは楽しみのひとつですね。

Q7、地元のお祭りや、季節の風物詩といえば?

インドはフェスティバルが多いです。コルカタだと「ドゥルガー・プジャ」という毎年10月にあるフェスティバルがいちばん有名。ヒンドゥー教の女神ドゥルガーを祝うお祭りで、街中にドゥルガー神の絵や像が飾られます。それを見てまわったり、屋台で買いものをしたり食べ歩きをしたり、とても楽しいですよ。夜はカラフルな電飾がすごく綺麗なので、みんな暗くなったら見に行くんです。ただ、ひとつ見るのに何時間も並んだりするので大変です(笑)。

日本に来てからは10月になかなか帰れなくて、最近は行けてないんです。今年は10月に帰る予定だったけど、インドはコロナで電車も止まってしまって帰れませんでした。やっぱりお金持ちとそうでない人でコロナ対策にも格差ができてしまって、インドでも大きな問題になっています。最近はやっと、なんとか落ち着いてきたみたいですね。

Q7、地元のお祭りや、季節の風物詩といえば? ドゥルガー・プジャ

Q8、いちおしのローカルスポットはどこ?

自然が多いところでいうと、ヒマラヤが有名ですね。ヒマラヤの麓にある、紅茶でも有名なダージリン地方は、インドではめずらしく雪が降る地域。僕はインドで雪が降っているのは見たことがないですが、そのあたりでは雪が見られます。逆に暑いところでは40度まで気温が上がったり、ベンガル湾に行けば海でも遊べるので、山と海とどちらも楽しめます。僕は学生の頃は勉強や家の仕事が大変で、ヒマラヤにもタージ・マハルにも行ったことがなくて。タージ・マハルを見るのと見ないのでは世界が違うとよく言われているので、いつか行ってみたいです。

Q8、いちおしのローカルスポットはどこ? タージ・マハル

Q9、コルカタでデートするならどこに行く?

インドでそういうところだと、セントラルパークや、ニッコパークという遊園地が人気ですね。あとは、ガンジス川でボートに乗って、チャイを飲んだり。結婚すると、家族みんなで食事に行くことも多いです。

Q10、コルカタに変わった「ローカル・ルール」はありますか?

今は変わってきていますが、僕がインドにいた頃は、恋人ができてもあまり外で一緒に歩いたりできないことが多かったです。結婚前の男女が一緒にいるところを家族に見られるのもあんまり良くないこと。だから恋人ができても、ちゃんと話ができなかったり、遊べなかったりしました。当時は携帯電話もなかったので、学校で勉強の休憩時間に会いに行ったりとか、みんなが集まるフェスティバルのときに少しだけ会えたりとか、そういう感じでした。僕の家は子供の頃からすごく厳しかったです。でも、最近は日本とそれほど変わらないみたいですよ。

Q11、ラジブさんにとって、コルカタでいちばん魅力的な場所は?

「ヴィクトリア・メモリアル・ホール」という歴史的な建物があるのですが、そのフィールドにある芝生や広場に座って過ごすのがとても気持ちいいです。100年以上前にイギリス人が作った綺麗な大理石の建築で、タージ・マハルとも少し似ています。それを眺めながらゆっくり過ごすのが僕は大好きです。

Q11、ラジブさんにとって、コルカタでいちばん魅力的な場所は? ヴィクトリア・メモリアル・ホール

Q12、いちばん心に残っている思い出は?

学生の頃がいちばん楽しかったですね。友だちと一緒に学校で勉強をして、また別のところで勉強して……インドでは夜の8時とか9時までずっと勉強します。いい仕事をしたり、外国に行くためにはちゃんと勉強しないといけないから。友だちと長い時間過ごすので、勉強を助け合ったり、ご飯を食べたり、とても思い出に残っています。大人になってからはみんな外国にいたりしますが、今でも連絡を取り合っているくらい仲がいいんです。

---------------

後編はラジブさんが店長をつとめる「ソレイユ」の魅力に迫ります。

この記事をシェア

関連記事