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2023.01.19

【高架下ものづくり会議】VOL.2 アフターレポート

高架下ものづくり会議 Vol.2 【動画アーカイブはこちら】 【イベント概要はこちら】

手仕事に求められる編集するチカラ 〜「食」と「ジュエリー」から紐解く未来のものづくり〜

 

 ”日本のものづくり”をコンセプトに、JR 秋葉原駅と御徒町駅間の鉄道高架下に開業した商業施設『2k540 AKI-OKA ARTISAN(ニーケーゴーヨンマル アキオカ アルチザン)』。そんな2k540の店舗が登壇し、ものづくりの裏側や思いを存分に語るトークイベント「高架下ものづくり会議」vol.2の様子をお届けします。

前回ゲストのnocra、A:buchiadotからの紹介で登壇いただいた今回のお二人。食とジュエリーという異なる分野の掛け合わせから、ものづくりについて一緒に考えました。

【ゲスト】
遊食家Boo(ゆうしょくやブー):高木 哲哉 さん
MASAAKi TAKAHASHi(マサアキタカハシ):高橋 正明 さん

 

Q. まずは、それぞれのお店とご自身について紹介をお願いします。

<遊食家Boo>

高木さん:

「遊食家Booは、妹のブランド・UAMOU(ウアモウ)と隣同士で2k540に出店しました。それまでは作務衣で焼き鳥を焼いているようなお店をやっていたのですが、UAMOUの世界観に合わせて一流レストランで洋食を勉強して洋食屋としてオープンしました。季節ごとに店内装飾を変えたり、音楽コンサートやイベントをやったり、私だけでなくスタッフやお客様も一緒に楽しんでくれるのでいつもとても楽しいです。以前はクリエイターを集めた「ものづくりnight」というイベントを隔月で開催し、交流やコラボの場作りもしていました。

”ものづくりの街”​​​​​​2k540において飲食というジャンルは異色で、私自身もものづくりの職人ではありませんが、Booはものづくりをする人たちを繋いだり下支えする、互いが出会える場になればいいなという思いがあります。」

高橋さん:

「私もBooの常連なのですが、Booは店舗同士やお客様との繋がりを作ってくれる、大事な存在です。高木さんは場づくりのプロだと思っています。」

 

<MASAAKi TAKAHASHi>

高橋さん:

「私はというと、大学では建築を学び、卒業後しばらくはフィンランドの建築家ユハレイヴィスカさん(フィンランドアカデミーメンバー)の元で2年間修行していました。なので実はMASAAKi TAKAHASHiの店内には建築関連の本が置いてあったりします。そこから「よせものジュエリー」の職人に。よせものとは「よせこ」と呼ばれる特殊な泥の上にパーツを並べて溶接し、モノとモノを「寄せ集めて」作り上げる手法のことです。

2k540には2014年に入居しました。実は2k540に50店舗くらいある中で唯一、お店の外に店名看板を掲げていないんです。正直お店を出したタイミングではそんなに長期でいられるか分からなかったので、当時看板を掲げる勇気がなくて(笑)」

「よせものは接点のみを溶接するので、軽さと透け感が最大の特徴。MASAAKi TAKAHASHiでは「ストーリーを輝きに」をコンセプトに、歌舞伎の隈取りや花火シリーズ、神経細胞をモチーフにした「ニューロン」シリーズなど、独創的な発想で国内外で人気のシリーズがいくつもあります。」

「よせものという伝統技術を残していくため、MASAAKi TAKAHASHiではアクセサリー以外のジャンルにも挑戦中。先日はnocraとコラボしたインテリアジュエリー「真鍮のtree」を発表しました。もっと特殊な例だと、犬小屋なんかも作ったことがあります(笑)。」

 

イベント後半は参加者からの質問も織り交ぜつつ、さまざまなテーマでのトークを展開しました。

Q. 今後コラボレーションしたい人・ことは?

高橋さん:

「建築出身なので、その経験や知識を生かした制作がしてみたいです。エントランスにつける門扉をよせもので作ってみたり、逆にこんなことできるんじゃない?というアイデアがあればぜひ募集中です。」

高木さん:

「日頃から、何か作りたいものが思い浮かんだらすぐに2k540内の店舗さんに声をかけてしまいます。逆にお客様が持ち込んだ食材で即興のメニューを作ったり、お店の使い方を一緒に考えたり、コラボありきというよりもアイデアやニーズありきでいつも考えていますね。」

 

Q. ココロの癒し方は?

高橋さん:

「アイデアを思いつくこと、何かを作ることで心が癒されます。アイデアが出ない時は、誰かと喋ってみます。アイデアだったり、自分の考えを聞いてもらったり、、自分の好きなことを仕事にしているので、それ自体が癒しですね。」

高木さん:

「私は飲食業なので、人と出会って、一緒にお酒飲んだり話したりする時間が何よりの癒しです。今はコロナ禍でなかなか人に会えないので、早く明けてほしいですね。」

 

Q. 理想的なものづくりの場所は?

高木さん:

「飲食で大事なのは、美味しいお酒や特別な料理よりも、心地の良い空間、空気感だと思っています。その空気感を出すため、遠くまで足を伸ばして器を探しに行ったりします。」

高橋さん:

「質問からは少しずれるのですが、なぜか昔から、眠る寸前にアイデアが思い浮かぶことが多くて、、せっかくいいアイデアが浮かんでも寝ると忘れてしまうので、そういう時はもう起き上がってメモに残しています。そうすると自分のアイデアに興奮して眠れなくなっちゃう、、(笑)枕元にメモとか置いておけばいいんだけど、置いてないから目覚めちゃうんですよね(笑)

 

Q. アイデアの源泉は?

高木さん:

「ゼロベースではものを生み出すことができないというのが僕の持論。将棋と一緒で、これまでの棋譜を研究し尽くした先に新しいものを生み出せる、それがものづくりの基本だと思っています。ひたすら情報収集してインプットを集め、ピンときたもの、面白そうと思ったものに挑戦するようにしています。」

高橋さん:

「私のインプット元にNHKスペシャルがあります。人気シリーズのニューロンやセルもNHKスペシャルの「人体」企画シリーズから着想を得ました。現代は化学の力で目に見えないものが見えるようになったので、そこから何か新しいものを形にしたいなと。」

 

Q. どんな思いでものづくりしているのか?

高橋さん:

「ブランドを立ち上げたのは、世の中に「よせもの」を知ってもらいたいという思いから。作品作りにおいてはターゲットやペルソナを定めずに、自分の好きなものを好きなように表現しています。」

高木さん:

「私も結局、好きなことだからやっている。好きなことだけで生きていけるとは思っていませんが、好きなことを仕事にできるのは幸せだなと思っています。」

 

Q. 最後に一言おねがいします!

高橋さん:

「今は(※当時緊急事態宣言中のため)2k540は休業中ですが、営業再開した時にはぜひ遊びにきてください!」

高木さん:

「お店に来てくれたら今日のイベントの10倍お話しできます。2k540の職人さんがお店に来ているタイミングであれば、職人さんのリアルなお話も対面で聞いていただけます。ゆくゆくは職人さんとお客様の飲み会なんかもやりたいと思っているので、応援もお待ちしいています!」

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