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【OKUROJI スイーツ図鑑】#2
現代のライフスタイルに合う、楚々としたおだんご。

<small>【OKUROJI スイーツ図鑑】#2</small><br/>現代のライフスタイルに合う、楚々としたおだんご。 <br>
グルメ

2021.02.28

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これまでに数々のスイーツを食してきたスイーツライターchicoさんがOKUROJIの名店を巡り、名物スイーツの魅力をレポートする「OKUROJIスイーツ図鑑」。No.02は『和菓子 楚々』のDANGO。

Photo:Kenji Nakata Text:chico 

おだんごにも人にも優しく、定番おやつが進化していた。

「代官山の和食屋が、“現代のライフスタイルにあった新しい和菓子屋”を出した」。そう聞いて、フレーバーのバリエーションが攻めているのかな? とかフォトジェネックなデザインなのかな? とか思い巡らせつつ、ショーケースを覗いてみると、「みたらし」、「こしあん」、「黒ごま」、「のり醤油」、「くるみ味噌」と、至ってスタンダードなおだんごが並んでいた。でもこれ、ただの定番じゃない、子供からお年寄りまで馴染みあるラインナップのおだんごでホッとさせておきながら、そこはかとなく漂う未来感……うん、間違いなくこのパッケージの仕業です。 

おだんごにも人にも優しく、定番おやつが進化していた。

『和菓子 楚々』のおだんごは、シンプルな透明ケース1つにつき1本ずつ、フィルムでしっかり密封されている。
だんごたちが個室でゆったり、心地良さ気に収まる姿を見ていたら、ふと昔、袋に入れられたおだんごからみたらしタレが溢れて大惨事になったことや、一緒にパックに入っただんごの味が混ざったこと、だんごをぺたんこに潰してしまったこと……数々のおだんごトラブルを思い出した。だんごの運搬は意外と難しい。そういうものだからと諦めていたけれど、これなら餡やタレが溢れるのも潰れるのも全てクリアできるじゃないですか!
それに加えて今、気になる衛生面の安心感といったら。自分で食べるのはもちろん、誰かに差し上げるにしても、これはお互いに嬉しいところ。
見た目とか表面的な話じゃない、このおだんご、リアルに今のライフスタイルにあっています。

閉じ込められていた、豊穣の香りが溢れ出す!

さて、どれにしようかな。おだんごは定番5種(全て1本180円)+月替わり1種というラインナップ。ちなみに月替わりのものは、2月ならカカオニブとプラリネをまとったコーヒーあんというように、遊び心も垣間見えます。
今日は基本の『こしあん』、『みたらし』あたりと、ちょっと気になる『くるみ味噌』にしてみよう。

閉じ込められていた、豊穣の香りが溢れ出す!

ではいただきまーす! と、くるみ味噌だんごのフィルムをペリッと剥がすと途端にぱっと、たまらなく香ばしい焦がし味噌のような香りがわき立つ。
人とおだんごに優しく運べるだけではない、密封パッケージはフレッシュな香りもしっかりと閉じ込めてくれていたのです。しかも乾燥も防いでくれるから、出来立てのモチモチ感もしっかりキープ。 

※テイクアウト専門店なので、イートインスペースはありません。

もっちりカリこり、噛むほどにくるみとだんごの賑やかな食感と、香ばしいおせんべいのような味噌が醸す豊穣の味わいが! 甘じょっぱい旨味とくるみの朴訥さにどうしようもなく癒されます。
「こしあん」は甘さを控えたあっさり餡が、おだんごの米の優しい甘さを引き立てるよう。潜んだゴマもアクセントにいい感じ!
そういえばこのパッケージ、何気にお皿の役目も果たしてくれている。OKUROJIのベンチでも、日比谷公園までお散歩してのひと休みでも。これならいつでもどこでも、おやつの時間を楽しめそうです。 

ルーツは昔ながらの街の和菓子屋さん。

パッケージは未来ぽくて機能的、でもなんだか心和らぐのはやっぱりおだんごだからだろうな。
和菓子ってお茶席で嗜むようなかしこまった上生菓子もあれば、気軽に頬張れる庶民のおやつもあってと幅広いけれど、こちらに並ぶのはその後者。
「うちは代官山の和食店『楚々』のテイクアウト和菓子専門店ですが、さらなるルーツは、横浜で長く続いていた街の和菓子屋にあるんです」。和菓子部門の営業部長、伊藤雅之さんが教えてくれました。 

ルーツは昔ながらの街の和菓子屋さん。

「うちの社長の実家が、大正オープンで90年ほど続いた、昔ながらの小さな和菓子屋さんだったんですよ」。
おだんごや季節ごとの和菓子、おいなりさんやおにぎりが並ぶような愛すべき和菓子屋。それを現代的にクラスアップしたのが『和菓子 楚々』というわけです。 

普段のおやつに、コーヒー×だんごのペアリング。

ドリンクのラインナップもまたいい感じ。最高級のお茶を揃える『SALON DE THE LUVOND』の日本茶から中国茶、台湾茶、紅茶。さらには『HAGAN ORGANIC COFFEE』のオーガニックコーヒーもと、小さな和菓子屋さんにしてかなりの充実っぷり。 

普段のおやつに、コーヒー×だんごのペアリング。

実はあんことコーヒーって相性いいんです。
「だんごといったら日本茶よ」、そういう人も一回、おだんご×『Wagashi楚々オリジナルブレンド』(400円)のペアリングを試してみて。このブレンド、酸味と苦味が程よくありつつ、お茶に近いさらりとした味わいで、おだんごと見事によく合う。コーヒー党の日常にもだんごは優しく寄り添います。

また、店内にはおだんごのほかにもいくつかお菓子が並んでいます。生チョコみたいなこれはなんだろう?「SUAMA」……すあま!? すあまといったら、祝い事に使われることのある、昔ながらの関東の餅菓子。でも、そういえば近頃ほとんど見なかった、と言うかあまり馴染みがない、というのが正直なところ。
従来のものは紅白のかまぼこみたいな見た目のものが多かったけれど、ここのは随分とおしゃれになって! 

曇りガラスみたいな淡い色した小さなキューブ。その姿に加えて、プレーン、くるみメープル、抹茶、チョコアーモンドに季節のフレーバーと、いろんな味があるのもそそります(5個入り800円)。

もちろんお皿に移してゆっくり食べるのがいいけれど、ちゃんと黒文字もついているし、これもおだんご感覚でそのまま、いつでもどこでも気軽に楽しめそう。
口にするともちり。お米の優しい風味と甘さがすっと体に馴染むようで、妙に落ち着きます。くるみメープルのすあまなんてきっと初めてなのに、ふわっと立ち上る香ばしさと旨味はくるみゆべしにも似ていて、懐かしさすら覚えてしまう。

こちらもお茶に合うのは言わずもがな、柔らかな甘さはコーヒーのお供にもぴったり。仕事の合間のひと休みにさっとすあまをつまんだら、心緩んで癒されそう。五角形の箱もモダンで、ちょっとした手土産や差し入れにもいいですね。

今の私たちの日常にフィットする新しいおだんごは、コロナの状況が落ち着き次第、海外展開も考えているそう。なるほど、商品名が『DANGO』なのはそのためでもあったのか。DANGOの幸せが、OKUROJIから世界へ発信される日も近そうです。 

■Profile

伊藤雅之
飲食の仕事に従事した後、旅先である沖縄でのフェスのキャンプで、代官山にオープンしていた和食店『楚々』の会社の副社長に出会い意気投合。代官山の店舗で務めた後、新事業のそうめん専門店『そそそ』の事業部長として、恵比寿本店の立ち上げなどを任される。今回『和菓子 楚々』のスタートあたり和菓子事業部部長に。休日は好きな音楽を聴きながらお散歩するのが楽しみ。趣味は音楽。元は洋楽好きだったけれど近頃は邦楽をよく聞くそうで、特に好きなアーティストは「ペトロールズ」のギタリスト、長岡亮介さん。OKUROJIではいつも完売している「うな富士」のうなぎが気になっているとか。

 

chico(チコ)
スイーツライター。食への興味が抑えられず1999年、モデルからフードライターへ転身。その後お菓子の知識を競うTV番組への出演をきっかけに、本格的にスイーツライターとして活動するようになる。スイーツのトレンドに精通し、『anan』や『Hanako』、『BRUTUS』、『エルグルメ』はじめ多数の雑誌やweb、TVでスイーツ記事の執筆やスイーツ特集の企画監修を行うほか、ギフトのセレクトショップ『g GIFT AND LIFESTYLE』やECサイト『SALUS ONLINE MARKET』などのスイーツ監修も手がける。『anan』で『Food News 〜chicoのお菓子な宝物』、『SALUS』で『もらって嬉しい手土産スイーツ』を連載中。『東京の本当においしいスイーツ探し』シリーズ監修。共著に『東京最高のパティスリー』。 

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