STORIES:OKUROJI

【Photographer's OKUROJI】#10
藍色は情熱の色

<small>【Photographer's OKUROJI】#10</small><br/>藍色は情熱の色 <br>
ストーリー

2021.04.21

水野染工場

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写真家の在本彌生さんがOKUROJIを訪れ、撮影。彼女のフィルターを通して見た、OKUROJIの姿を写真とエッセイで綴ります。今回は『水野染工場』にフォーカス。

Photo & Text: Yayoi Arimoto 

藍色は情熱の色

昨年の9月にOKUROJIに新店舗を構えた水野染工場は、北海道旭川に本店を構える染物屋、明治40年創業の老舗だ。大漁旗、祭りの法被や半纏、神社幕、手ぬぐいなどなど、水野染工場の仕事はそんな中に溶け込んでいて、それらは私たちが生活の中で手にしたり目にすることの多いものだ。気に止めて見られたり使われるものではないかもしれないが、身の回りにあるもの、日々目にするものが美しかったり色が良かったりすることは実はとても大事で、心身によき作用があり、気持ちも健やかで晴れやかにしてくれるものだと思う。

OKUROJIの店舗はコンパクトながら個性的で、店のスペースの中央に藍染めのプロセスを解説する為のブースが用意されている。大胆な店の作りだなと思ったが、これが「染工場」の名前に説得力を持たせている。水野社長が自ら白い布をさっと取り出して藍で染めて見せてくださった。「藍染を皆さんに身近に感じてもらえたらと考えておりまして、OKUROJI店で藍染体験も開催しています」驚いたことに、旭川では藍染のテーマパークを作るプロジェクトを敢行し、今年完成する予定だという。水野社長の藍染や染物への情熱はそれほどに深いのだ。

日頃から手拭いファンの私としては、水野染工場 OKUROJI店で、どんなデザインの手拭いに出会えるのか気になる所。2021年の干支、丑をモチーフにしたものなど、いずれも楽しげで粋な風情だ。手拭いは少しシャレが利いたデザインが好みなのであれもこれも手に入れたくなった。水野社長がPCに向かいながらこんな使い方もあるんですよ、と見せてくださったのは手拭いマウスパッド。木綿が肌に触れたときに心地よく、確かに通常のマウスパッドよりもはるかに快適で、頻繁に洗えるのも気持ちがいい。

目下の水野染工場の人気商品といえば何と言っても「どうぶつマスク」だ。コロナ禍で全国の祭りが中止になったことで法被などの注文がストップした。マスク不足だった折に、手の空いた従業員たちが「それならば布を使って自分たちが使うマスクを作ろう」といったことがはじまりと聞いて感心してしまった。自然発生的に生まれたものは、人に伝わりやすいし、受け手の私たちも使いたくなるというもの。動物の顔をデザインしたのは全国的に有名な旭山動物園のある旭川の土地柄をいかしたアイディアだった。これだけたくさんの種類の動物に変身できるならいくつか違う種類を携えていたら楽しいだろうし、子供たちに受けること間違いなしだ。 

Profile

在本彌生(ありもと・やよい)
東京生まれ。外資系航空会社で乗務員として勤務、乗客の勧めで写真と出会う。以降、時間と場所を問わず驚きと発見のビジョンを表現出来る写真の世界に夢中になる。美しく奇妙、クールで暖かい魅力的な被写体を求め、世界を飛び回り続けている。2006年5月よりフリーランスフォトグラファーとして活動を開始。雑誌多数、カタログ、CDジャケット、TVCM、広告、展覧会にて活動中。
http://yayoiarimoto.jp/photo/fashion/ 

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